ホワイトスポットは進行性の虫歯ではありませんので、その多くは治療の必要はありません。審美的な問題を解決したい場合が治療の対象になります。治療にはいくつかの方法があり、それぞれ利点と欠点があります。
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(1)フッ素やMIペーストの使用
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初期う蝕は歯磨きの不良が大きな原因です。まずは正しい歯磨きを行い、食生活を改善することが最も大切です。そのうえで、フッ素やMIペーストのようなケア製品を使用すると、溶け出したリンやカルシウムが再び沈着します。この現象を再石灰化といいます。再石灰化により、初期う蝕はほぼ健全な歯質に戻りますが、ホワイトスポット まで改善することは稀です。審美的に改善するためにはさらに踏み込んだ治療が必要となります。
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(2)ホワイトスポットを削って詰める
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ホワイトスポットの部分を削ってその部分に白い詰め物をします。最も一般的な治療法ですが、歯を削る必要があります。エナメル質を削ると歯は途端に弱くなります。(詳しくは当HP「歯や神経を抜かない治療」を参照してください)そのうえ、詰めた部分を目立たなくするためにはホワイトスポットの周囲の歯もかなり削る必要があります。車の板金塗装と同じですね。詰めた材料には経年的に着色や変色、摩耗が生じますので、何年かに一度やり替える必要があります。最も一般的な治療法ではありますが、見た目を改善するために医学的には削る必要がない歯を削る治療であることを忘れてはなりません。
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(3)ベニア修復
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歯の表面全体に薄いシェルのようなものを貼り付ける治療です。これには、ポーセレンラミネートベニアとダイレクトベニアがあります。仕上がりはきれいですが、歯の表面を薄く削る必要があります。詳しくは当HP「補綴修復治療」をご参照ください。
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(4)歯を削らない治療
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ホワイトスポットの治療法には歯を削らない方法が2種類あります。
一つ目はエナメルマイクロアブレージョンという方法です。これは炭化ケイ素微粒子を含む6.6%塩酸でエナメル質表面を研磨することによりホワイトスポットを目立たなくする方法です。歯を削らない処置に分類されていますが、研磨ですので厳密に言えば歯を全く削らないわけではなく、例えて言えば、白斑が見えなくなるまでサンドペーパーで磨くイメージとなります。したがって、治療後は歯の厚みがわずかに薄くなります。エナメルマイクロアブレージョンを行った後はフッ化物バーニッシュという薬剤をを塗布します。通常数回処置を繰り返す必要があります。エナメル質表層0.2ミリ以内の着色や軽度のホワイトスポット、ブラウンスポットが対象になります。ホワイトニング後に白斑が目立つようになったということはよくありますが、そのようなケースにも適しています。ホワイトスポットが完全に消えるわけではありませんが、かなり目立たなくすることができます。ほとんどわからなくなることもよくあります。
もう一つは低粘性レジン浸潤法という方法です。これはホワイトスポットを含めた歯の表面全体に浸透性の高い樹脂を浸み込ませる現在最もホットな治療法です。ドイツのDMG社が20年以上の歳月をかけて開発した「アイコン」という製品を使用します。歯を削るような処置は一切することなく、歯の内部に浸透しやすい特殊な樹脂を浸み込ませてホワイトスポット内部を均質な状態にします。歯全体に樹脂が浸透した状態になりますので、虫歯になりにくくなるという効果もあります。歯は全く削らないので、ホワイトスポットが完全に消えるわけではありませんが、ほとんど目立たない状態にすることができます。初期う蝕によるホワイトスポットが適応で、エナメル質形成不全にはほとんど効果がないとされていますが、当院では独自のテクニックにより、エナメル質形成不全歯にも対応しています。ホワイトニングと併用するテクニックによりブラウンスポットにも効果があります。上述のエナメルマイクロアブレージョンンよりもこちらの方が適応範囲が広く効果も優ります。
「アイコン」を使用した治療は非常にテクニックセンシティブです。全く改善しなかったり、治療後にかえって目立つようになった例もたくさんあります。成功させるためにはマニュアルにはないさまざまなノウハウが必要ですので、実績のある歯科医院で治療されることをお勧めします。
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ホワイトスポット の治療は、最近までは何れの治療法も歯の切削を伴うものでしたが、エナメル質を削ると歯は途端に弱くなります。歯を削らないこの画期的な治療法を最初に行うことを強くお勧めします。
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この程度の大きさのホワイトスポットはほぼ確実に消すことができます。もちろん歯は全く削っていません。低粘性レジン浸潤法で行いました。
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こんなに大きいホワイトスポットもほとんど分からなくなりますが、このような重度のホワイトスポットは薬剤と労力が余計にかかるうえ、特殊な方法で行いますので割増料金となります。 この症例も低粘性レジン浸潤法で行いました。
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